ブリッジフォースマイル代表 林 恵子

Profile:96年株式会社パソナ入社。副社長秘書、人材派遣営業、登録者面接、派遣契約管理、人事などを担当。とある研修プログラムを通して児童養護施設の現状を知る。 04年12月NPOブリッジ・フォー・スマイル創設。理事長に就任。現在に至る。二児の母。

自立支援とは

自立支援とは

-高すぎる「自立」の壁を越えるための準備-

施設の子どもたちは、18歳になり高校を卒業すると施設を出て一人暮らしをはじめます。つまり、仕事をして自ら稼いだお金で、住まいや衣服を整え、食事をして、生活をしていかなければなりません。

自立に備えて、児童養護施設では、日頃の生活において洗濯など身の回りのことを自分でさせたり、料理を教えたりします。多くの施設では、生活資金を貯めると同時に仕事を体験したりする場として、アルバイトを奨励しています。また、就労の選択肢が広がるように、自動車免許の取得を奨励する施設もあります。自立へ向けての動機付けとして卒園生を呼んで子どもたちに話を聞かせたり、一人暮らしの擬似体験をさせるためにワンルームタイプの生活訓練棟を設けたりする施設も増えてきました。ブリッジ・フォー・スマイルが行う自立準備セミナー「巣立ちプロジェクト」など外部団体による新しい取り組みも広がっています。

<特記したい最近の動向>

▼高校に行かない子への支援
中学卒業後、高校に進学しない子どもたちや、高校を中退する子どもたちは、施設に居られなくなってしまう、つまり「自立」を余儀なくされるという現状があります。制度上は、自立の準備ができていないなど、子どもの事情に応じて最大20歳まで施設に居られることになっていますが、どの施設も満員状態で児童相談所の一時保護施設で入所を待っている子どもたちがいることから、そうせざるを得ない実情があります。そこで、「自立援助ホーム」(就労しながら自立を目指す子どもを支援する施設)という、新しい施設が全国的に増えてきています。また、東京都では「再チャレンジホーム」という、一度はあきらめたものの再度高校卒業を目指したいと考える子どもたちを支援する取り組みが始まっています。

▼大学等進学者への支援
高校卒業後、専門学校を含めても児童養護の子どもたちが進学する割合は2割程度であり、全国平均7割に遠く及びません。今の、実力主義の競争社会において、「頼れる親がいない、住む家がない、学歴や資格もない」子どもたちに、チャンスは平等と言うのは酷なことです。そこで、子どもたち自身が「学歴」や「資格」という武器を手に入れることに重点を置いて自立支援を行う施設もあります。施設の子どもたちを対象にした奨学金制度だけでは足りないため、独自に基金を作ったり、進学者用の住宅を用意するなどして、進学支援に取り組んでいます。

退所後支援活動
児童養護施設等で生活した子どもたちが施設退所後円滑に一般社会での生活に入れるよう、様々な支援を行っている。